視覚障害 | 視覚障害とはどんな障がい?

視覚障害とは、視機能に変調が起こり、治療が及ばずに永続的に低下・消失している状態のことです。
視機能が低下・消失している状態とは、「視覚がぼやける」「暗い場所では周囲の状況がわかりにくい」「明るい場所ではまぶしさを強く感じる」など、日常生活や社会生活において情報収集の困難と活動の制限をもたらします。

視覚から得る情報は、人間が外界から得る情報の約80%といわれています。その主な役割は空間の情報収集であるため、視覚障害は「空間に関する情報障害」といわれています。

視機能

視機能には下記のようなものがあげられます。なかでも「視力」「視野」は視覚障害を考えるうえで重要な視機能になります。

視力 空間において物の形をはっきり認識する機能
視野 目の前の一点を凝視しているときに周辺にある事物を見たり感じたりできる範囲
光覚 光の程度を感じ、その強弱を識別する機能
色覚 色を感じ識別する機能
両眼視 両眼でものを1つに見る機能で、立体感や奥行きを感じ取る機能

盲と弱視(ロービジョン)

視覚障害には、一般に視力の程度によって「盲」と「弱視」の2つに分けられます。

盲とは

盲とは、明るさや暗さといった感覚も含めて、視覚的情報をまったく得られない人、またはほとんど得られない状態です。測定視力は0.02未満。文字の読み書きには点字を使い、単独で移動する場合には白杖もしくは盲導犬を使います。

盲の人に起こりやすい特徴

  1. 視覚によって理解しなければならない内容や触れることのできない事柄の理解が難しくなる
  2. 視覚的に認識することが困難なため、様々な学習場面においてハンディを負うことになる
  3. 歩行や運動が制限されるため、発達上の制限や体力低下を強いられる
  4. 環境認知力の制限が経験不足を助長してしまう

弱視(ロービジョン)とは

弱視(ロービジョン)とは、自分のもつ視力によって自立した日常生活を送ることはできるが、見ることによって受け取る感覚・情報がきわめて少ない状態で、眼鏡などで矯正したあとに測定して視力が0.3未満をいいます。最近では、弱視のことを「ロービジョン」とよぶことが多くなっています。これは、「視覚に何らかの障害をもち、生活に支障をきたす状態(盲を含まない)」を表した言葉です。

弱視の人の見えにくい4つの症状

  1. ものがぼやけて見える(ぼやけ)
  2. まぶしさを感じる(羞明)、暗い場所では見えない(暗順応の困難)
  3. 視野が中心部だけになる(求心性視野狭窄)
  4. 視野の中心部がみえない(中心暗転)

視覚障害の等級

級別 視覚障害
1級 両眼の視力(両眼の視力とは万国式試視力表によって測ったものをいい、屈折異常がある者にについては、きょう正視力について測ったものをいう。以下同じ)の和が0.01以下のもの
2級 1 両眼の視力の和が0.02以上0.04以下のもの
2 両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が95%以上のもの
3級 1 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
2 両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両眼による視野について視能率による損失率が90%以上のもの
4級 1 両眼の視力の和が0.09以上0.12以下のもの
2 両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの
5級 1 両眼の視力の和が0.13以上0.2以下のもの
2 両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの
6級 一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2を超えるもの

参考:厚生労働省

視覚障害を引き起こす主な眼疾患

糖尿病網膜症 糖尿病を放置し続けると、全身の血管に負担がかかり、さまざまな合併症を引き起こします。糖尿病網膜症もその1つで、網膜の細小血管が侵されて閉塞し、異常な増殖組織が網膜内および網膜外に広がり、やがて網膜剥離になってしまう病気です。
白内障 水晶体(眼内に存在する透明な組織)の濁りによる視力低下が主な原因であって、先天性のものと加齢にともなって起こる加齢性のものがあります。
緑内障 眼圧調節機能が障害を引き起こすと、眼球内圧が上昇(眼球が固くなる)し、そのための視神経が圧迫され、その状態のまま長時間経過してしまうと視神経が損傷し、視野が狭くなったり、視力が低下したりします。
視神経萎縮 視神経には多くの毛細血管があり、正常な視神経乳頭は少し赤みをおびた黄白色をしています。しかし、視神経の一部が正常に機能しなくなると視神経組織が変化し、視神経乳頭が白っぽくなります。
網膜色素変性症 網膜に異常をきたす先天性、新恋性の遺伝性疾患です。暗い場所での視力と視野の広さに影響がでます。そして病気の進行とともに視力が低下していき、失明に至ることがあります。
黄斑変性症 遺伝的要因にともなって障害をきたすものもありますが、大部分は加齢にともなって黄斑部にさまざまな障害をきたす加齢黄斑変性症であるといわれています。症状としては、徐々に視力が低下し、色覚が侵されていきます。失明に至ることはごくまれです。
網膜剥離 網膜色素上皮と残りの神経網膜との間に水分がたまって、この神経網膜が網膜色素上皮からはがれてしまう病気です。
半盲 視野の左右半分あるいは上下半分のどちらかが見えなくなってしまう状態です。
角膜混濁 角膜は本来透明なものですが、さまざまな原因で混濁することがあります。このことを角膜混濁といいます。
強度近視 眼の屈折調整能力の低下によって強い近視がある場合、強度近視とよばれます。

視覚障害者との接し方

見えなくなった時期や障害の状況によって程度はさまざまです。白杖を使わずに歩いていたり、一見して視覚障害者とわからない場合もあります。一般的に下記のようなことに留意するといいでしょう。

声をかけるとき

「○○さん、おはようございます。○○です。」
など、自分から声をかけて、名前を言ってください。軽く肩などに触れると、話しかけられていることがよりわかります。

説明するとき

「そこの」「あっちの」「これくらいの」などとジェスチャーでの表現や代名詞で指示を表現しても、視覚障害者は相手が目で見ている先を理解できません。具体的な説明が必要です。また、初めての場所では、まわりの様子を説明してください。

複数人で話しているとき

どのような人たちがいるのかを視覚障害者は理解することができません。みなさんで自己紹介をしてください。席を外す人がいても気が付かないので、席を外すときや戻ってきたときは一声かけるといいでしょう。

視覚障害者のお仕事

視覚障害者の職業は現在、あはき業に大きく依存しているが、近年のICT技術の普及等のおかげで約1割の視覚障害者が事務職についています。

鍼灸マッサージ

盲の方は指先の感覚が鋭敏とされ、ツボを探したり、鍼やあんまの細かい手わざに適していると言われています。

事務職

パソコンの画面を読み上げるソフトで事務仕事をします。近年は情報をパソコン上でやりとりすることが多くなったので、工夫次第でかなり仕事がしやすくなってきています。

専門職

プログラマー、弁護士、医師など、専門知識を有する人たちはその資格を取得して職についてる方もいます。音楽家や起業家の方もいます。